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「寝る子は育つ」っていうことわざを一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?子供の頃、親に「寝る子は育つんだから早く寝なさい!」なんて怒られたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。

「寝る子は育つ」とは言葉の通り、よく眠る子は丈夫に育つという意味のことわざになります。ことわざ自体は昔から使われていますが、果たして科学的根拠はあるのでしょうか?

今回は、「寝る子は育つ」は本当なのかどうかを調べてみました。

■成長ホルモンは寝ている間に分泌される

赤ちゃんの成長にとって欠かせない成長ホルモン。このホルモンは、睡眠時に分泌されます。この分泌を受けて、赤ちゃんの脳や体は眠りながらにして成長していくのです。

つまり、眠っている間に成長しているということになります。そのため、「寝る子は育つ」という言葉は正しいということになりますね。

ただし、ただ眠ればいいというものではありませんし、1-2時間の短い睡眠を繰り返していてもよくありません。ぐっすりと一定時間眠る必要があるのです。

成長ホルモンが最も活発に分泌されるのは赤ちゃんが睡眠にはいってから3時間ほどといわれています。この3時間の間に深い睡眠をとっていればいるほど、成長ホルモンが多く分泌されているとのことでした。

つまり1-2時間の短い間に起きてしまうと、成長ホルモンは最大限には分泌されません。成長ホルモンを多く分泌させるには3時間は眠る必要があるのです。

■赤ちゃんの睡眠の半分はレム睡眠

多くの大人の睡眠時間は4~8時間といわれています。1日のサイクルの中で浅い眠りといわれるレム睡眠の割合は25%ほどということです。

このレム睡眠は眠っている状態のなかでも、脳は活発な動きをしており、記憶の整理などを行っています。夢をみるのもこのレム睡眠の時といわれているのです。この逆で、脳もゆっくりと休止状態に入っている深い眠りをノンレム睡眠といいます。

大人の場合はこのレム睡眠とノンレム睡眠を90分周期で繰り返すことが知られています。ノンレム睡眠の間に体のメンテナンスを行い、レム睡眠の間に心のメンテナンスを行っているのです。

赤ちゃんの場合は、このレム睡眠が1日の1/3を占めており、睡眠の半分だといわれています。そして、このレム睡眠の間に、脳が成長をしているのです。

レム睡眠の間、脳は神経回路を作っていき、脳幹の活動を活発にさせていきます。この脳を成長させる時間はとても大切なものです。脳が成長することにより、日中の起きている時間が長くなってきて、だんだんと大人と同じような生活サイクルへとなってくるのです。

また、胎児は1日中レム睡眠の状態であるともいわれています。1日中うつらうつらだったのが、この世界に生れ、覚醒状態を身に着けることにより、深い眠りをするようになります。

この深い眠りのときに体を休息させ成長を促し、浅い眠りのときに記憶を整理し、脳を成長させているのです。一口に「睡眠」といってもその役割がとても大きなものであることが分かります。

「寝る子は育つ」ということわざは本当だったということです。昔の方はこのような事情を知る由もなかったでしょうから、今までの経験などでこの言葉は生まれたということでしょう。先人の知恵は凄いですね。